『国立西洋美術館　名画の見かた』渡辺晋輔、陳岡めぐみ著

　イタリア美術史とフランス美術史の研究者である国立西洋美術館の２人の現役学芸員が丁寧に解説する。同館は１５世紀以降から２０世紀初頭までの美術品を数多く所蔵。その名画を俎上（そじょう）にあげ、宗教画、静物画、風景画などジャンル別に美術の流れを追う。「タッチの集積によって描かれている印象派の絵は、少し離れた場所から見るべきです」などと、「鑑賞のツボ」を披露しているのも親切。

　後半では「ギャラリー・トーク」と題し、「描かれた楽器」など、読んで楽しいうんちく話が収められている。本書を読めば、より深く芸術を理解できるだろう。（集英社・２１００円＋税）

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