【聞きたい。】水谷もりひとさん『心揺るがす講演を読む』

インタビュー

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心揺るがす講演を読む

『心揺るがす講演を読む』

著者
水谷もりひと [著、編集]
出版社
ごま書房新社
ジャンル
社会科学/社会科学総記
ISBN
9784341087647
発売日
2020/07/01
価格
1,320円(税込)

書籍情報:openBD

【聞きたい。】水谷もりひとさん『心揺るがす講演を読む』

[文] 桑原聡(産経新聞社 文化部編集委員)

■「いい新聞」から生まれた感動


水谷もりひと

 「日本講演新聞」-。その名の通り各地で開催された講演の中身を伝える新聞だ。これまで掲載された約1500本の記事から10本を選びまとめたのが本書である。京都大iPS細胞研究所所長の山中伸弥さん、実業家・著述家の執行草舟さん、将棋棋士の羽生善治さん…顔ぶれは多彩だ。

 28年前、32歳で宮崎にUターン、ハローワークで見つけた宮崎中央新聞に入った。週1回発行の一般紙だ。入社から1年後、親会社である建設会社の社長から「廃刊にしたいが、やりたければ譲る」といわれた水谷さんは二つ返事で引き受けた。

 「当時の購読者はほぼ行政機関と建設会社で、発行部数は500部にまで落ち込んでいました。そんな新聞を引き継いだ私の背中を押してくれたのが『私が部数を増やすからあなたはいい新聞を作って』という妻の言葉でした」

 「いい新聞」とは…。水谷さんはひらめく。自分が感動した講演を紹介したらどうだろうと。紙名を「みやざき中央新聞」に改め再スタートを切る。「売り」は講演記事と社説らしくない社説だ。

 「社説は大上段の主張などせず、読んで心が揺さぶられる物語を必ず入れるようにしました」

 妻は飛び込み営業を重ねた。じきに「面白くユニークな新聞」との評判が口コミで広まり、県内だけではなく全国から購読申し込みが舞い込むようになった。そして今年、購読者は1万を超える。購読者の住所は宮崎県が2割、その他が8割。水谷さんは紙名を「日本講演新聞」に変えた。

 どんな講演を掲載するのか。その基準は明快だ。

 「これだけは伝えたいという講師の強い思いと、具体的なエピソードが語られている講演です。本書に収められた10本はその見本のようなものばかりです。本書が『日本講演新聞』購読のきっかけになったらうれしいですね」(ごま書房新社・1200円+税)

 桑原聡

   ◇

【プロフィル】水谷もりひと

 みずたに・もりひと 昭和34年、宮崎県生まれ。日本講演新聞編集長。著書に『日本一心を揺るがす新聞の社説』『この本読んで元気にならん人はおらんやろ』など。

産経新聞
2020年7月12日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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