『近未来の〈子づくり〉を考える 不妊治療のゆくえ』久具宏司著

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近未来の〈子づくり〉を考える

『近未来の〈子づくり〉を考える』

著者
久具 宏司 [著]
出版社
春秋社
ジャンル
自然科学/医学・歯学・薬学
ISBN
9784393716359
発売日
2021/02/18
価格
2,200円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『近未来の〈子づくり〉を考える 不妊治療のゆくえ』久具宏司著

[レビュアー] 産経新聞社

 不妊治療への公的保険適用の流れが進む中、生殖医療に長年携わってきた著者が、不妊治療の現状と問題点を幅広くまとめた。

 卵子凍結や代理懐胎など生殖医療の発展は、子供を望む男女に希望を与えてきた。しかし著者は、この希望が妊娠を遅らせる動きにつながり、持てる子供の数が減り、少子化がさらに進むと警鐘を鳴らす。そのうえで、出産や育児がキャリアにマイナスとならない方策を企業に、社会の意識を変革する施策を行政に求める。

 優生思想や死後生殖など生殖医療がはらむ倫理的な問題は多く、社会の関心を高める必要がある。(春秋社・2000円+税)

産経新聞
2021年3月14日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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