SNSで大バズ! ネット民を恐怖の底に叩き落とした新鋭誕生! 民俗学カルトホラー『異端の祝祭』芦花公園インタビュー
インタビュー
『異端の祝祭』
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SNSで大バズ! ネット民を恐怖の底に叩き落とした新鋭誕生! 民俗学カルトホラー『異端の祝祭』芦花公園インタビュー
[文] カドブン
とりあえず読め読め読め読め読め読め読め……。20年夏、SNSで大バズを引き起こしたホラー小説『ほねがらみ』でデビューした期待の新鋭、芦花公園さん。先月発売の2作目『異端の祝祭』は、ねばつく恐怖が後を引く民俗学カルトホラーです。芦花公園さんに創作秘話などをうかがいました!
■民俗学カルトホラー『異端の祝祭』芦花公園インタビュー
――鮮烈デビューおめでとうございます! まずは、本作『異端の祝祭』が生まれたきっかけを教えてください。
芦花公園:幻冬舎さんから『ほねがらみ』という単行本を出させていただいているのですが、『ほねがらみ』は「カクヨム」で連載していたこともあって、角川ホラー文庫さんからも書籍化のご提案をいただいておりました。
角川ホラー文庫の黒い背表紙から書籍を刊行するのはホラーを愛する者としては憧れで、私は「列聖」と呼んでいるのですが、先にお声をかけていただいたのが幻冬舎さんですので、今回は……とお断りしたところ、「では新しい作品を書いてみませんか?」と勿体ないご提案をいただき、着手したのが『異端の祝祭』です。
元から新興宗教、特に「カルト」認定を受けるものに大変興味がありまして、信者本人やその家族、カウンセラーなどが書いたノンフィクションを読み漁っていたこともありました。
「カルト」と呼ばれてしまうほどの熱狂、狂信に陥ってしまう人間の背景などを、なるべくどの立場から見ても失礼にならないように描きたいと思って生まれた作品です。
――「列聖」された『異端の祝祭』は発売後即重版がかかりましたね! ネットでも大きな話題となっています。『ほねがらみ』とはまた毛色の違う作品だと思いますが、書いていく中で苦労したこと・楽しかったことがあれば、ぜひ教えてください。
芦花公園:本当にありがたいことです。
楽しかったことは、今までカクヨムで書いていたキャラクターを使えたことですね。可愛いペットの写真を皆に見せるような喜びがあります。
辛かったこともそのキャラクターに関するものです。
特に物部。かなりフィクショナルなキャラクターなので、出すだけで全てのバランスが崩れる恐怖がありました。この作品を単純な異能力バトルものにしたくなくて……そのようにできたかは分からないのですが。
――すべての要素が絶妙に絡み合った傑作だと思います! さて、そんな『異端の祝祭』の読みどころはどこですか?
芦花公園:この作品には心の強い人は出てきません。私の定義では、心の強い人というのは、周りの環境に左右されず、自分の意志で行動する人のことです。
登場人物たちは出会う人間に左右され、変貌していきます。
それが良い方に広がった人もいれば、悪い方に転んだ人もいます。
そういった意味で今回の作品は、ホラー小説と銘打ちながらも、ボーイミーツガールを扱った青春群像劇かもしれません。
様々なボーイミーツガールを楽しんで欲しいです。
――確かに、『異端の祝祭』はキャラ立ちも抜群です。中でも印象深い風変わりなオカルト探偵・佐々木るみと助手の青山君は、どのようにして生まれたのでしょうか?
芦花公園:基本的にバディものは「ホームズとワトソン」の類型であることが多いと思うのですが、容姿も頭脳も完璧なホームズ役、というのはホラーには合わないと思っておりまして。
性格が個性的で、特に秀でていない人間にしようと思いました。そして、そういう人間とずっと付き合っていけるのは底抜けのお人好しだけだと思いますので、こういう二人組になりました。
読者に好かれると良いのですが。
――執筆にあたっての様々な工夫がよく分かりました! 今後書いていきたいものをぜひ教えてください。
芦花公園:今回は怖いものというより、気持ち悪くて悲しいものを書いてしまったので、今後はもう少し「怖い」に舵を切った作品を生み出したいです。
自分の感覚が絶対ではないので、難しいところなのですが。
――最後に、読者に一言メッセージをお願いします。
芦花公園:Twitterを中心に話題にしていただいて、ありがとうございます。
もっと面白いものが書けるよう頑張っていきたいので、今後ともよろしくお願いいたします。
■作品紹介
異端の祝祭
著者 芦花公園
定価: 748円(本体680円+税)
この祝祭の真実は、禁忌。ポップなのにねっとり不気味な民俗学カルトホラー
失敗続きの就職浪人生・島本笑美。
原因は分かっている。彼女は物心ついた時から生きている人間とそうでないものの区別がつかないのだ。
街に溢れ返った異形のモノたちは、自分の姿が見えていると分かるや否や、笑美に纏わり付いてくる……。
ある日、ダメ元で受けた大手食品会社「モリヤ食品」の面接で、笑美はヤンと名乗る青年社長と出会う。
出会ったその瞬間から、何故か自分に惚れ込んでいるヤンに心奪われ、笑美はそのままモリヤに就職することを決める。
しかし「研修」という名のもと、ヤンに伴われて笑美が見たのは、「ケエエェェェエコオオォォオオ」と奇声をあげながら這い回る人々だった――。
一方、笑美の様子を心配した兄・陽太は、心霊案件を専門とする佐々木事務所へ相談に訪れ……。
ページを開いた瞬間、あなたももう「取り込まれて」いる。
カクヨム発の「ほねがらみ」がTwitterでバズり大反響! ネット民を恐怖の底に叩き落とした驚異の新人作家が放つ、民俗学カルトホラー!
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