『天の血脈①』
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【気になる!】コミック『天の血脈①』
[レビュアー] 産経新聞社
『虹色のトロツキー』など、近代史を主要テーマにした漫画を相次ぎ手掛けてきた著者の集大成的作品が文庫化された。
1巻の主な舞台は明治36年、日露戦争開戦前夜の満州。史跡調査のため満州の地を踏んだ(旧制)一高生の安積(あずみ)亮は、馬賊やロシア兵に相次ぎ襲われる。窮地が続く中、ある日本人の男に命を救われる。その男から「密命」を託された安積は、ロシア軍が占領する奉天の街に向かうのだが…。
安積の視点と、4世紀の青年「安曇(あずみ)のイサナ」の視点の物語が交互に展開。近代史と古代史が交錯する、悠大な歴史のロマンを感じさせる作品だ。(安彦良和著、中公文庫・990円)