小学校低学年くらいの少年が連れているのは、大きくて真っ黒な犬「クロべぇ」。その散歩が、少年の日課だ。
少年が生まれる前から家にいたクロべぇの歩みは遅く、足を上げてもおしっこは出たり出なかったり。でも、大きな体に似合わず臆病で気が優しい老犬は、通りすがりの子犬に愛想を示したり、草むらに頭を突っ込んではカエルが飛び出すのに驚いたりと、一緒に散歩して退屈しない。
年老いたペットと付き合う中で得られるさまざまな発見を、表情豊かに描く。(光村教育図書・1430円)
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2022年1月23日 掲載
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