『「歴史の終わり」の後で』
- 著者
- フランシス・フクヤマ [著]/マチルデ・ファスティング [編集]/山田 文 [訳]
- 出版社
- 中央公論新社
- ジャンル
- 社会科学/社会科学総記
- ISBN
- 9784120055355
- 発売日
- 2022/05/23
- 価格
- 2,530円(税込)
書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます
『「歴史の終わり」の後で』
[レビュアー] 産経新聞社
冷戦終結後、自由民主主義体制の最終的勝利を宣言して世界的ベストセラーとなった『歴史の終わり』。だが刊行後30年を経た現在の国際状況は、自由民主主義諸国の将来に不安を抱かせる。著者の米政治学者フクヤマが現状に何を思い、30年で思想がどう変遷したかを問うロングインタビューだ。
長期的には自由民主主義が他の体制より有効に機能することは疑いないが、近年のポピュリズムの台頭など、民主主義を内側から壊しうる脅威は増していると彼は説く。民主主義の前提は国民国家とし、その基盤となる共通の物語の重要性を指摘しているのが興味深い。(フランシス・フクヤマ著、マチルデ・ファスティング編、山田文訳/中央公論新社・2530円)