『凍る草原に鐘は鳴る』天城光琴著

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凍る草原に鐘は鳴る

『凍る草原に鐘は鳴る』

著者
天城 光琴 [著]
出版社
文藝春秋
ジャンル
文学/日本文学、小説・物語
ISBN
9784163915661
発売日
2022/07/05
価格
1,650円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『凍る草原に鐘は鳴る』天城光琴著

[レビュアー] 産経新聞社

第29回松本清張賞を受賞したファンタジー小説。遊牧民アゴールには、草原に立てた額縁の中で物語を演じる芸術がある。「生き絵」と呼ばれ、その物語を作り演出を手掛ける「生き絵司」の女性、マーラが本作の主人公である。

突然の災厄がマーラたちを襲い、動いているものが見えなくなった。従来の演出では観客の心を動かすことができず、一度は生き絵をあきらめたマーラだが―。

コロナ禍で中止や延期が相次いだ文化芸術活動と、小説の世界が重なった。世界が激変しても、観客に伝わる表現を模索するマーラの行動に勇気づけられた。(文芸春秋・1650円)

産経新聞
2022年7月9日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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