『カラー版 甦る戦災樹木』
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『カラー版 甦る戦災樹木』菅野博貢著
[レビュアー] 産経新聞社
戦災樹木とは、空襲による火災をくぐり抜けた樹木のこと。洞があったり歪(いびつ)だったりと、猛火や熱風のすさまじさを想起させる。本書では、主に焼夷(しょうい)弾で傷ついた樹木を「戦災樹木」、原爆の熱線や爆風を受けた樹木を「被爆樹木」と呼んでいる。被爆樹木が手厚く保護される一方、戦災樹木は社会的認知がほとんどなされず、個人宅の戦災樹木は代替わりに伴って伐採される可能性もあるという。
東京を中心に各地の戦災樹木と広島・長崎の被爆樹木をカラーで収録。文献などの裏付けがなくても一定の条件を満たす推定戦災樹木も掲載し、新たな証言や情報を求めている。(さくら舎・3960円)