高層ビル群、その間を流れる河川、ヤミ市の名残がある駅前繁華街…。さまざまな顔を見せる首都・東京はどう形作られてきたのか。明治維新による誕生から約150年間の歴史をひもといた一冊。
関東大震災と戦災からの復興、自治と首都機能、繁華街と娯楽など7つのテーマを設定。「山の手」「下町」という呼称の社会的な意味合い、月島がもんじゃ焼きで有名となる経緯といった豆知識も豊富で、社会の変容ぶりと時々の人々の暮らしの息吹がよく伝わってくる。破壊と再生を繰り返しながら発展してきた巨大都市が抱える課題にも触れる。(ちくま新書・990円)
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2023年6月18日 掲載
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