『死と後世』サミュエル・シェフラー著、森村進訳 レビュー 産経新聞 [レビュー] (哲学・思想) 『死と後世』 著者 サミュエル・シェフラー [著]/森村 進 [訳] 出版社 筑摩書房 ジャンル 哲学・宗教・心理学/哲学 ISBN 9784480511881 発売日 2023/06/12 価格 1,320円(税込) ネット書店で購入する 書籍情報:JPO出版情報登録センター ※書籍情報の無断転載を禁じます 『死と後世』サミュエル・シェフラー著、森村進訳 [レビュアー] 産経新聞社 米ニューヨーク大で哲学を教える著者は、こんな質問を投げかける。あなたの死の30日後、小惑星との衝突によって地球が完全に消滅すると仮定する。では、この知識はあなたの残された生涯にどんな影響を与えるだろうか、と。 目の前の仕事に価値を見いだせなくなり、悲嘆に暮れてしまう人も多いかもしれない。この論考から浮かんでくるのは、無意識のうちに「自分の生と活動を継続する人類史の中に位置づけ」ようとする人間の姿だ。環境破壊など世代をまたぐ課題が山積する今、人間の歴史的感性に光を当てる本書が初邦訳された意義は大きい。(ちくま学芸文庫・1320円) 2023年7月8日 掲載 ※この記事の内容は掲載当時のものです 筑摩書房 産経新聞社 死と後世 サミュエル・シェフラー 森村進