『岡部悦子日記』尚友倶楽部編、君塚直隆解説

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

岡部悦子日記

『岡部悦子日記』

著者
一般社団法人 尚友倶楽部 [編集]/君塚 直隆 [解説]
出版社
芙蓉書房出版
ジャンル
歴史・地理/日本歴史
ISBN
9784829508619
発売日
2023/04/27
価格
6,600円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『岡部悦子日記』尚友倶楽部編、君塚直隆解説

[レビュアー] 産経新聞社

20世紀初頭、ベル・エポック(よき時代)の欧州に渡り、英国貴族社会と交わってつぶさな記録を残した若い日本人女性がいた。

本書は外相や首相を歴任した加藤高明の長女である岡部悦子(1888~1946年)が、明治41年から大正5年にかけて記した在外生活日記。在英日本大使令嬢として、英国王エドワード7世の葬儀、新国王ジョージ5世の戴冠(たいかん)式をはじめ儀式やパーティーへの参加に忙しかった第一次大戦前と、戦中の地味な日々の対比が印象的だ。解説と併せて読むと、王侯貴族を中心に政治外交が回っていた最後の時代の空気がよく理解できる。(芙蓉書房出版・6600円)

産経新聞
2023年7月8日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク