中国の大学病院で婦人科医として働いていた著者が、日本で漢方の健康相談を始めて一番驚いたのは女性が生理痛を放置していること。その次は更年期にも無頓着なこと。同じアジアでもなんと違うものか―。
著者は、日本人女性に生理痛をなくしたいという欲求があまりないと感じると言う。一方、中国人は「自分の体をよくすること」に貪欲で、女性は母親から生理中のセルフケアをたたき込まれるそう。著者自身が母親から受けたという厳格な生理教育とケアの徹底ぶりが印象的だ。生理が女性の体をどれほど大きく消耗させるかが伝わってくる。(光文社新書・924円)
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2023年8月6日 掲載
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