じつは誰でもできる!自分の個性を最大限に活かす「キャラ営業の極意」教えます

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キャラ営業の極意

『キャラ営業の極意』

著者
坂井洋子 [著]/べじこ [イラスト]
出版社
ぱる出版
ジャンル
社会科学/経営
ISBN
9784827214079
発売日
2023/08/28
価格
1,540円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

じつは誰でもできる!自分の個性を最大限に活かす「キャラ営業の極意」教えます

[レビュアー] 印南敦史(作家、書評家)

キャラ営業の極意』(坂井洋子 著、ぱる出版)の著者は、大学卒業後に新卒で入社したリクルートグループで、10年半にわたり法人企業への企画営業、転職情報サイト立ち上げ部署でのスーパーバイザーを手がけてきたという人物。そののち起業支援を行うNPOでの勤務を経て、フリーの漫画家・イラストレーター「べじこ」に転身したという異例の経歴の持ち主でもあります。

そうした実績に基づく本書で伝えているのは、自分の個性や強みを「キャラ」として表現し、活かしていく方法。いわば、それが「キャラ営業」というネーミングの裏側に隠されたものです。自分のキャラでお客様に愛され、選ばれるようになれば、たしかに営業としては最強かもしれません。

目指すのは、自分のキャラを発揮することで、周囲から認められ、お客様から選ばれる存在になることなのだそう。

・外見など初対面で印象付けるキャラ

・自分の長所や強みを活かす内面のキャラ

(20ページより)

ポイントは、こうした両面でキャラ営業を捉えていること。外見のキャラ表現は、すぐにできて効果がわかりやすいもの。内面のキャラは、自分の持っているものを活かせるもの。双方を活かすことで、「この人に任せたい」とお客様に選んでもらえるようになるというのです。

きょうはそんな本書の第4章「キャラを活かすための営業術」のなかから、「営業活動の4ステップ」に注目してみたいと思います。

営業活動の4ステップ1:関係を構築する

最初に営業と向き合ったお客様は、「この営業はちゃんと自分のことを考えてくれるかな? ただ売りたいだけじゃないかな?」というように警戒しているはず。

したがって、「この人は信用できそう。話してもいいかな」と安心してもらえるような関係性をつくっていくことがまずは必要だと著者は述べています。

初対面の時、私がいつも気を付けていることがあります。

それは「テンション」と「ペース」を相手と合わせることです。

静かなトーンでゆっくり話す方には、私も落ち着いて小さな声で。

テンション高く早口で話す方には、私も元気よく。(112ページより)

テンションを合わせて話すだけで、お客様に居心地のよさと安心感を与えることができるわけです。また、リラックスした雰囲気をつくるためには、お客様が話しやすいことを話題にすることも効果的だといいます。

とはいえ長々と話す必要はなく、会話を通じてお互いが少し打ち解けて、話しやすい空気が生まれればOK。ただし営業も最初は緊張気味なはずなので、お客様だけでなく、自分がリラックスすることもお忘れなく。(110ページより)

営業活動の4ステップ2:ニーズを確認する

お客様に最適な提案をするためには、お客様の課題や求めているものを把握する必要があります。そこで重要なのは、話すよりも先に聞くこと。もちろんそれは、お客様が欲していることをつかむためです。

お客様が心の中で思っているけど口に出していない場合もあるし、お客様自身が自分の課題に気づいていないことや、求めているものがはっきりしていない場合もあります。

お客様の言葉だけでなく、本心や、本当は困っていること、求めていることが何かを、対話を通じてキャッチする必要があります。(116ページより)

また、営業では事前準備も重要。そのため、お客様の情報収集をするだけではなく、

・お客様はこんなことに困っているのではないか?

・お客様はこんなことを望んでいるのではないか?

(20ページより)

を想像し、仮説を立てることも大切。そして仮説に応えられる商品・サービスを想定し、必要な事例や情報を揃えておくわけです。もちろん仮説が外れることもあるでしょうが、お客様の本当の課題がわかれば大丈夫。質問に答えていただくうちに、情報も増えていくはずだといいます。(115ページより)

営業活動の4ステップ3:解決策を提案する

お客様のニーズを聞き出せたら、次は課題に答えられる最適な提案をするステップ。営業自身が「自社の商品・サービスでお客様の課題が解決できる」と自信を持って提案できるプランをつくるのです。

なお、不安なことやわからないことがある場合は、他の営業に情報を聞いたり、事例やデータを調べたりして、提案前にクリアにしておくことも大切。

提案で大事なことは、お客様と一緒にわくわくすること。

課題が解決した時のビジョンをお客様と一緒に描きましょう!(120ページより)

提案の際も営業が一方的に話すのではなく、お客様が理解を示しているか、どこに関心を持っているか、疑問に思っていることはないかを確認しつつ、常にお客様主体でことを進めることが重要。(119ページより)

営業活動の4ステップ4:合意を得る

お客様に疑問がなくなり提案に納得していただけたら、「やりましょう!」という段階。ただし、お客様が考えている間は、邪魔せずに待つべき。そして大事なのは、素直な本音を話していただくこと

やりたいけど、何かネックがあるのか。

やりたいけど、自分では決められないので持ち帰りたいのか。

やらないと思っているけど、断りづらいから答えをにごしているのか。

やるかやらないか、他の競合と比較をしてから決めたいのか。

(124ページより)

素直な本音を聞くことができれば必要な対応がわかり、適切な合意へとつなげていけるわけです。(122ページより)

キャラ営業が自分のキャラを活かしたものである以上、「自分はキャラが濃くないから難しい」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし実際のところ、キャラ営業は誰にでもできるのだと著者は断言しています。なぜなら自分の長所や強みを活かすだけだから。本書を通じてそのための手段を身につけ、キャラを活かした営業力を発揮したいところです。

Source: ぱる出版

メディアジーン lifehacker
2023年9月7日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

メディアジーン

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