『ボナールとマティス 手紙の二人』ピエール・ボナール、アンリ・マティス著、山内由紀子訳

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『ボナールとマティス 手紙の二人』ピエール・ボナール、アンリ・マティス著、山内由紀子訳

[レビュアー] 産経新聞社

フランス近代絵画の巨匠、ピエール・ボナール(1867~1947年)とアンリ・マティス(1869~1954年)の往復書簡集。50代から晩年までの62通を紹介している。

マティスはフォービスム、ボナールはナビ派と、二人はそれぞれ異なる芸術運動と関わりを持ったが、互いの絵を愛し、深く理解し合っていたことが分かる。特に第二次大戦中は直接会う機会が減ったこともあり、文通はより頻繁に、内容も魂の交歓というべき濃密なものになっていく。

今年6月に死去した洋画家の野見山暁治さんが、両巨匠の交友について寄せた言葉も特別収録している。(求龍堂・4180円)

産経新聞
2023年9月24日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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