『街場の成熟論』内田樹著

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街場の成熟論

『街場の成熟論』

著者
内田 樹 [著]
出版社
文藝春秋
ジャンル
文学/日本文学、評論、随筆、その他
ISBN
9784163917566
発売日
2023/09/13
価格
1,760円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『街場の成熟論』内田樹著

[レビュアー] 産経新聞社

ウクライナ戦争、格差の拡大、学校教育…。思想家である著者が多様な題材を通して今の日本社会と日本人を論じる。

「学び」について記した文章では、知的成長を単なる「知識の量的増大」と考えがちな現代人を嘆く。いくら情報を脳に補充しても「入れ物」としての人間は変わらない。「学んだ後に学ぶ前とは別人になっている」ことこそが成長なのだと。基幹産業が農業から工業に変わるにつれ、教育を語る言葉も工学的になり、その弊害も出てきたとの見方は説得力がある。

「大人」や「成熟」の意味を考えさせる鋭利で温かな文章が並ぶ。(文芸春秋・1760円)

産経新聞
2023年10月1日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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