『古墳を築く』
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『古墳を築く』
[レビュアー] 産経新聞社
3世紀ごろから数世紀にわたり、全国で大小約16万基も築かれた古墳。埋葬者や副葬品ばかりが注目されがちだが、独特の様式を持つ巨大建造物としても見るべきところが多い。ベテラン考古学者が、墳丘や石室など構造面を中心に、古墳がいかに構築され、時代ごとに変化したかを考察する。
前方後円墳の墳丘は、整地作業後にまず後円部を整える。こうした手順は300年以上も踏襲されているという。墳丘巨大化のピークは5世紀前半で、当初は付け足しだった前方部が、次第に後円部より大きくなっていく流れもよくわかる。古墳を見る目が変わる一冊。(一瀬和夫著/吉川弘文館・1980円)