『モネとジャポニスム』
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『モネとジャポニスム 現代の日本画はなぜ世界に通用しないのか』
[レビュアー] 産経新聞社
日本画家・平松礼二は四半世紀ほど前、パリのオランジュリー美術館の「モネの部屋」で「睡蓮(すいれん)」の連作に衝撃を受けた。以来、印象派の巨匠の足跡をたどっている。モネはなぜ自邸の庭にハスを浮かべたのか、家に映る雲を描きたかったのはなぜか。そんな疑問を抱き、のめり込んでいった。自作でもモネの絵画世界を日本画に置き換えた「ジャポニスム」シリーズを制作し、2013年、仏・ジヴェルニー印象派美術館で作品を披露した。なぜモネは日本人に人気なのか。「色彩が日本画に似ている」と平松は感覚的にとらえる。画家の目で見たモネ論が光る。(平松礼二著/PHP新書・900円+税)