【話題の本】『教養としてのテクノロジー AI、仮想通貨、ブロックチェーン』

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 ■最新技術が問う「幸せ」の形

 スマホが登場して10年余り。科学技術は日進月歩で、人工知能(AI)や仮想通貨といった言葉も日常生活で耳にするようになった。先端研究をリードするMIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボの所長、伊藤穰一氏が最新テクノロジーが経済や社会にもたらす変化を平明につづる。

 今月10日に初版1万8000部で刊行。40~50代のビジネスパーソンらに好評で、発売2日後に2万部の増刷が決まった。「個々のテクノロジーの解説書は多くても、全体の歴史をひもとき、現在地と未来を俯瞰(ふかん)する本書のような一冊は意外になかった」と担当編集者。

 米アマゾンやグーグルなどの巨大IT企業による寡占を例に、ひたすら規模の拡大を追求する経済の限界を説く。また〈仮想空間を国家から独立させる〉理念で出発した仮想通貨が利益ありきで動く現状に懸念を示す。一方、AIの浸透を見据え、既存の学校に頼らず、自発的な学習に重点を置く米の教育方法も紹介される。〈新たなテクノロジーが生む数えきれないほどの「問い」に対して、お互いが「そもそも論」を語るべきタイミングがいまだと言える〉。読了後、幸せとは何かを再考する必要性を切に感じる。(伊藤穰一、アンドレー・ウール著/NHK出版新書・780円+税)

 海老沢類

産経新聞
2018年3月24日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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