元テレビマンで大学教授の編著者は、今の社会に他人の痛みを理解する「想像力」が欠如していると指摘する。本書は、教授のゼミ生が「『想像力』を駆使して」制作したドキュメンタリーにまつわる10の短編ノンフィクション集。
ある日突然、犯罪被害者の会代表になった普通の主婦、河川敷で捨てられた犬猫を育てる初老のホームレス、自分をいじめた同級生や止めなかった教師らを大人になって訪ね歩く学生自身…。
それぞれ痛みを克服して生きる人々との出会い、プロが見落としがちな視点で集めたエピソードの数々に教えられることも多い。(弘文堂・1500円+税)
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2018年4月22日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです