狂気の演技で定評あり 稲垣吾郎が「狂気の女優道」を歩んだ岩下志麻に教えを請う[ゴロウ・デラックス]

テレビ・ラジオで取り上げられた本

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TBS「ゴロウ・デラックス」公式サイトより

 稲垣吾郎さん(44)が司会を務める読書バラエティー「ゴロウ・デラックス」(TBS系)に27日、女優の岩下志麻さん(77)と時代劇研究家の春日太一さんが出演した。岩下さんと稲垣さんが「狂気の演技」の秘訣について語り合った。

■自ら提案した「体当たり演技」

 前回に引き続き課題図書は『美しく、狂おしく 岩下志麻の女優道』(文藝春秋)。先週の放送では岩下さんの狂気に満ちた役へのアプローチが取り上げられ、その徹底した役作りに稲垣さんも驚愕の表情をみせていた。今回は「岩下志麻 狂気の女優道 第2幕」と題し、春日さんが選んだ岩下さんの狂気が光る衝撃の映画ベスト3が発表された。

 ひとつめは岩下さんがふたつの人格を演じ分けた「悪霊島」(1981年)。横溝正史原作のミステリ作品で、岩下さんは神社の娘とその姉を演じた。ネタバレを避けるために分かりづらい表現となるが、岩下さんがある重要なシーンで、とんでもなく性的な「体当たり演技」をしてみせたという。その演技プランは岩下さんから監督に提案したものだと聞かされた春日さんは、「今回のインタビューで最も驚いた」と告白。女優としての清純なイメージを守るのではなく、役柄として必要な演技を第一に考えて提案するという、岩下さんの凄まじい発想がよくわかるエピソードだった。

■桃井かおりのアドリブに対し岩下さんは……

 ふたつめは岩下さんが桃井かおりさんと演技合戦を繰り広げた「疑惑」(1982年)。殺害容疑をかけられた悪女を演じた桃井さんと、その弁護を行うエリート弁護士を演じた岩下さん。2人の「女優同士のもつ緊張感が面白い」と春日さんは評する。2人が向かい合い対峙するシーンで、桃井さんの「嫌いだなあ、あたし。あんたの顔」という、けしかけるようなアドリブにも岩下さんは動じず、余裕の表情と仕草で受け流す。岩下さんは「常に上からものを言っているという役作りをしたので、嫌な女と嫌な女のぶつかり合い」とその表情の理由を解説しながら、「すごいセリフ考えてきた! と思って逆に刺激になって、勉強になりましたね」と当時の心境を明かした。

 稲垣さんは「監督はカメラ割りを考えているので」アドリブは絶対にやらないという。そのため共演相手がアドリブをしたとしても、役に深く入り込み全く動じない岩下さんの凄みがわかるのだろう。また稲垣さんは30年ほど前、当時のドラマの監督からも岩下さんについて教えられたことがあると語りだした。稲垣さんは14歳でデビューしたばかりのとき、カメラの前でレフ板がまぶしく、瞬きを何度もしてしまったという。そこで監督から「岩下さんはするなといったら永遠に瞬きしないんだ。役者さんはそういうのコントロールしないといけないんだ」と言われ驚いたという。瞬きをすることも、しないことも意識的にコントロールしてしまう岩下さんの演技について、春日さんは「瞬きに感情的な意味が生まれちゃう」と小さな動きにも意味があることを解説した。

■狂気を演じる秘訣

 みっつめは「魔の刻」(1985年)。禁断の母子愛を描いた映画は岩下さん自身が熱望した企画だという。「当時はエキセントリックな役がやりたくてやりたくて」新聞で見かけた原作の作者にコンタクトをとり「映画化するときはぜひやらせてください」と頼み込んだという。岩下さんはそういった役柄にこだわった理由を「いつも日常から飛びたい、役を演じることでどこかへ飛びたいという思いが演じるときはある」と明かした。また狂気を演じることの秘訣については「狂気を狂気と思って演じないで、普通に演じてそれが狂気に見えれば成功」と語った。2010年「十三人の刺客」で冷淡で狂気に満ちた暴君を演じ高い評価を得た稲垣さんも「僕もそれができればいい。驚かせようと思ってわざとおどろおどろしい表情をつくるのではない」と共感をあらわしていた。

 最後に岩下さんは今後の目標として女優の成れの果てを描いた「サンセット大通り」をやってみたいと語る。春日さんが相手の男役の記者に「稲垣さんがぴったり」と推薦すると、稲垣さんも「いつかご一緒させてください。14歳の僕が喜ぶので」と共演を熱望していた。

「ゴロウ・デラックス」はTBSにて毎週木曜日深夜0:58から放送中。次回の放送は5月3日。ゲストは今村昌弘さん。課題図書は『屍人荘の殺人』(東京創元社)。公式サイトでは予告動画を配信中。
http://www.tbs.co.jp/goro-dx/

Book Bang編集部
2018年4月28日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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