『応仁の乱』の呉座勇一が「フェイクニュースの温床」となる陰謀論を一刀両断

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 5月2日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、新書第1位は『極上の孤独』が獲得した。
 第2位は『日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで』。第3位は『陰謀の日本中世史』となった。

 3位にランクインした『陰謀の日本中世史』は大ベストセラー『応仁の乱』(中央公論新社)の著者・呉座勇一さんの新著。こちらも発売1ヶ月で11万部を突破している。呉座さんがアカデミックな視点から歴史上で有名な陰謀論を分析し、徹底論破。陰謀論が生まれる背景までをも考察している。実業家の出口治明さんは「素晴らしい快著だ。胸のつかえが一挙に取れる。本書は、具体的な史実に照らして日本中世史にかかわるもっともらしい陰謀論、トンデモ説の類を一刀両断に裁いたものである。(中略)専門家が無関心を決め込めば、陰謀論やトンデモ説は生き続け、フェイクニュースの温床になる。(中略)後に続くであろう専門家に期待したい。」と評している(週刊文春4月12日号)。

■新書 ノンフィクションランキング

1位『極上の孤独』下重暁子[著](幻冬舎)

現代では「孤独=悪」だというイメージが強く、たとえば孤独死は「憐れだ」「ああはなりたくない」と一方的に忌み嫌われる。しかし、それは少しおかしくないか。そもそも孤独でいるのは、まわりに自分を合わせるくらいなら一人でいるほうが何倍も愉しく充実しているからで、成熟した人間だけが到達できる境地でもある。「集団の中でほんとうの自分でいることは難しい」「孤独を味わえるのは選ばれし人」「孤独を知らない人に品はない」「素敵な人はみな孤独」等々、一人をこよなく愛する著者が、孤独の効用を語り尽くす。(幻冬舎ウェブサイトより)

2位『日本史の内幕 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで』磯田道史[著](中央公論新社)

西郷隆盛の性格は、書状からみえる。豊臣秀頼の父親は本当に秀吉なのか。著者が原本を発見した龍馬の手紙の中身とは。司馬遼太郎と伝説の儒学者には奇縁があった――日本史にはたくさんの謎が潜んでいる。著者は全国各地で古文書を発見・解読し、真相へと分け入ってゆく。歴史の「本当の姿」は、古文書の中からしかみえてこない。小説や教科書ではわからない、日本史の面白さ、魅力がここにある!(中央公論新社ウェブサイトより)

3位『陰謀の日本中世史』呉座勇一[著](KADOKAWA)

本能寺の変に黒幕あり? 関ヶ原は家康の陰謀? 義経は陰謀の犠牲者? 俗説、一蹴! 『応仁の乱』の著者が史上有名な“陰謀”をたどりつつ、“陰謀論”を徹底論破する。「事実」はドラマや小説より面白い。陰謀論の誤りを最新学説で徹底論破!! トンデモ説やフェイクニュースが溢れる世の中で騙されないために。陰謀論の法則まで明らかにする、必読の歴史入門書!(KADOKAWAウェブサイトより抜粋)

4位『自分のことだけ考える。 無駄なものにふりまわされないメンタル術』堀江貴文[著](ポプラ社)

5位『日本軍兵士 アジア・太平洋戦争の現実』吉田裕[著](中央公論新社)

6位『歴史と戦争』半藤一利[著](幻冬舎)

7位『友だち幻想 人と人の〈つながり〉を考える』菅野仁[著](筑摩書房)

8位『内臓脂肪を最速で落とす 日本人最大の体質的弱点とその克服法』奥田昌子[著](幻冬舎)

9位『逃げる力』百田尚樹[著](PHP研究所)

10位『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』河合雅司[著](講談社)

■新書 ノベルスランキング

1位『ONE PIECE novel A スペード海賊団結成篇(1)』尾田栄一郎[原作]ひなたしょう[著](集英社)

2位『消滅世界(上)』大石英司[著](中央公論新社)

3位『天城越え殺人事件 私立探偵・小仏太郎』梓林太郎[著](実業之日本社)

4位『ヤクザに花束』妃川螢[著](幻冬舎コミックス発行/幻冬舎発売)

5位『僕のヒーローアカデミア(3) 雄英白書』堀越耕平[原作]誉司アンリ[小説](集英社)

6位『僕のヒーローアカデミア(2) 雄英白書』堀越耕平[原作]誉司アンリ[小説](集英社)

7位『悲終伝』西尾維新[著](講談社)

8位『戦艦大和VS邪神戦艦大和』林譲治[著](創土社)

9位『僕のヒーローアカデミア(1) 雄英白書』堀越耕平[原作]誉司アンリ[小説](集英社)

10位『新生・帝国海空軍(3)サンフランシスコ炎上!』原俊雄[著](電波社)

〈新書 ノンフィクション / 新書 ノベルス ランキング 5月2日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2018年5月5日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

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