佐藤泰志の文壇デビュー作『きみの鳥はうたえる』が映画化 出演は柄本佑、染谷将太、石橋静河

映像化

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 佐藤泰志による青春小説『きみの鳥はうたえる』を原作とした映画が、9月1日から全国公開される。

『きみの鳥はうたえる』は、1990年に逝去した佐藤泰志の文壇デビュー作であり、芥川賞の候補となった初期の代表作。アルバイト先で知り合った静雄と“僕”は共同生活をはじめ、そこに“僕”と関係を持った佐知子が加わり、3人で飲み明かす日々が始まるが、次第に翳りを見せていくひと夏の人間模様を描いた青春小説となっている。

 映画では、柄本佑が“僕”、染谷将太が静雄、石橋静河が佐知子を演じるほか、劇場公開第1作「Playback」で第27高崎映画祭新進監督グランプリ、第22回日本映画プロフェッショナル大賞新人監督賞を受賞している三宅唱が監督を務める。

 原作者の佐藤泰志は、1949年北海道生まれ。高校時代より小説を書き始め、1981年にデビュー作となる『きみの鳥はうたえる』が芥川賞候補となり、以降合わせて5回芥川賞候補となるが、いずれも落選。1990年に遺作となる『虹』を残して、自ら命を絶つ。村上春樹や中上健次らと並び評されながら、文学賞にめぐまれなかったが、死後に再評価が進み、『海炭市叙景』『そこのみにて光輝く』『オーバー・フェンス』の映画化や、ドキュメンタリー映画「書くことの重さ」の公開などに至る。

2018年8月16日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです
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