第23回鶴屋南北戯曲賞が決定 谷賢一「1986年:メビウスの輪」

文学賞・賞

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 第23回鶴屋南北戯曲賞が16日に発表され、谷賢一さんの「1986年:メビウスの輪」に決まった。

 受賞作の「1986年:メビウスの輪」は、東日本大震災を演劇作品として残すことを目的に、取材や執筆に約3年の歳月をかけて制作された「戯曲 福島三部作」の第2部。原発誘致を決意する1961年から震災の起こる2011年までの50年間が描かれ、第2部では実在した町長・岩本忠夫に取材し、原発立地自治体の抱える苦悩と歪んだ欲望が描かれている。

 贈賞式は、3月23日、東京都千代田区の帝国ホテルで行われる。

 鶴屋南北戯曲賞は、前年に上演された日本語で書かれた新作戯曲を対象とした文学賞。現役演劇記者7名による選考委員会を2回にわたって開き、決定される。

 昨年は、平田オリザさんの「日本文学盛衰史」が受賞。過去には野田秀樹さんの「Right Eye」(第2回)、三谷幸喜さんの「マトリョーシカ」(第3回)、井上ひさしさんの「太鼓たたいて笛ふいて」(第6回)などが受賞している。

Book Bang編集部
2020年1月21日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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