『ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる』片山杜秀著 レビュー 産経新聞 [レビュー] (クラシック) 『ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる』 著者 片山 杜秀 [著] 出版社 文藝春秋 ジャンル 文学/日本文学、評論、随筆、その他 ISBN 9784166611911 発売日 2018/11/20 価格 880円(税込) ネット書店で購入する 書籍情報:JPO出版情報登録センター ※書籍情報の無断転載を禁じます 『ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる』片山杜秀著 [レビュアー] 産経新聞社 音楽批評と政治思想史の幸せな結婚を思わせる著書だ。周知のように著者はこの両分野で活躍する音楽評論家にして政治思想史家。 クラシック音楽は、受容者(最初は教会、次いで王侯貴族、ブルジョアジー)の欲望にあわせて発展(堕落?)してきた。著者は新たな知見と知られざるエピソードを交えながら、両者の関係とその流れを分かりやすくつづる。たとえばロマン派について「手の届かないものへの渇望」と喝破し、それと強烈なナショナリズムを強力に結びつけたのがワーグナー、といった指摘など、刺激的かつ説得力に富む知見が満載だ。(文春新書・800円+税) 2020年2月16日 掲載 ※この記事の内容は掲載当時のものです 文藝春秋 産経新聞社 片山杜秀 ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる