森見登美彦『四畳半神話大系』続編『四畳半タイムマシンブルース』は「自分の作品を使った二次創作」

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 2月21日トーハンの週刊ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『少年と犬』が獲得した。
 第2位は『一人称単数』。第3位は『四畳半タイムマシンブルース』となった。

 3位に初登場の『四畳半タイムマシンブルース』は森見登美彦さんの長編小説。森見さんの青春小説『四畳半神話大系』のキャラクターをヨーロッパ企画の舞台「サマータイムマシン・ブルース」のストーリーに載せた意欲作だ。ヨーロッパ企画代表の上田誠さんは『四畳半神話大系』アニメ版の脚本を手掛けており、森見さんも舞台を観にゆくなど二人は親交を重ねてきた。森見さんは刊行記念の対談で、《自分的には番外編というか自分の作品を使った二次創作》と語り、上田さんは元となった2作品がそれぞれ当時の《夢や憧れを書きあっている》と共通点をみつけながら、今回のコラボレーションに《運命を感じますね》と語っている。
https://www.bookbang.jp/review/article/633825

1位『少年と犬』馳星周[著](文藝春秋)

傷つき、悩み、惑う人びとに寄り添っていたのは、一匹の犬だった――。 2011年秋、仙台。震災で職を失った和正は、認知症の母とその母を介護する姉の生活を支えようと、犯罪まがいの仕事をしていた。ある日和正は、コンビニで、ガリガリに痩せた野良犬を拾う。多聞という名らしいその犬は賢く、和正はすぐに魅了された。その直後、和正はさらにギャラのいい窃盗団の運転手役の仕事を依頼され、金のために引き受けることに。そして多聞を同行させると仕事はうまくいき、多聞は和正の「守り神」になった。だが、多聞はいつもなぜか南の方角に顔を向けていた。多聞は何を求め、どこに行こうとしているのか…… 犬を愛するすべての人に捧げる感涙作!(文藝春秋ウェブサイトより)

2位『一人称単数』村上春樹[著](文藝春秋)

6年ぶりに放たれる、8作からなる短篇小説集 「一人称単数」とは世界のひとかけらを切り取る「単眼」のことだ。しかしその切り口が増えていけばいくほど、「単眼」はきりなく絡み合った「複眼」となる。そしてそこでは、私はもう私でなくなり、僕はもう僕でなくなっていく。そして、そう、あなたはもうあなたでなくなっていく。そこで何が起こり、何が起こらなかったのか? 「一人称単数」の世界にようこそ。(文藝春秋ウェブサイトより)

3位『四畳半タイムマシンブルース』森見登美彦[著]上田誠[原案](KADOKAWA)

気ままな連中が“昨日”を改変。世界の存続と、恋の行方は!? 水没したクーラーのリモコンを求めて昨日へGO! タイムトラベラーの自覚に欠ける悪友が勝手に過去を改変して世界は消滅の危機を迎える。そして、ひそかに想いを寄せる彼女がひた隠しにする秘密……。 森見登美彦の初期代表作のひとつでアニメ版にもファンが多い『四畳半神話大系』。ヨーロッパ企画の代表であり、アニメ版『四畳半神話大系』『夜は短し歩けよ乙女』『ペンギン・ハイウェイ』の脚本を担当した上田誠の舞台作品『サマータイムマシン・ブルース』。互いに信頼をよせる盟友たちの代表作がひとつになった、熱いコラボレーションが実現!(KADOKAWAウェブサイトより)

4位『欲が出ました』ヨシタケシンスケ[著](新潮社)

5位『気がつけば、終着駅』佐藤愛子[著](中央公論新社)

6位『いちねんかん』畠中恵[著](新潮社)

7位『破局』遠野遥[著](河出書房新社)

8位『首里の馬』高山羽根子[著](新潮社)

9位『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』ブレイディみかこ[著](新潮社)

10位『流浪の月』凪良ゆう[著](東京創元社)

〈文芸書ランキング 8月4日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2020年8月10日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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