第33回柴田錬三郎賞が決定 伊坂幸太郎『逆ソクラテス』が受賞

文学賞・賞

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 第33回柴田錬三郎賞が2日に発表され、伊坂幸太郎さんの『逆ソクラテス』(集英社)に決まった。

 受賞作『逆ソクラテス』は、非日常的な出来事に巻き込まれながらも逆境を乗り越える逆転劇を描いた短編5作品。

 文芸評論家の関口苑生さんは、本作について「現実社会を真っ向から見据えた、彼にしてみれば“異色”の内容」と触れ、「読み終えたあとにやってくる爽快感と清涼感は、これまでの伊坂作品の中でもトップクラスだろう」(中日新聞 東京新聞・書評)と評している。
https://www.bookbang.jp/review/article/626562

 著者の伊坂幸太郎さんは、1971年千葉県生まれ。2000年に『オーデュボンの祈り』で第5回新潮ミステリー倶楽部賞を受賞しデビュー。2004年に『アヒルと鴨のコインロッカー』で第25回吉川英治文学新人賞、「死神の精度」で第57回日本推理作家協会賞(短編部門)、2008年に『ゴールデンスランバー』で第5回本屋大賞・第21回山本周五郎賞を受賞している。他の著書に『重力ピエロ』『終末のフール』『AX』『ホワイトラビット』、阿部和重氏との合作『キャプテンサンダーボルト』などがある。

 受賞作の発表と選評は、「小説すばる」(12月号)に掲載される予定。なお、贈賞式は関係者のみで行われる。

「柴田錬三郎賞」は、柴田錬三郎の業績を称えて1988年に創設された文学賞。前年七月一日から、本年六月三十日までに刊行された小説を対象とし、現代小説、時代小説を問わず、真に広汎な読者を魅了しうる作家と作品に与えられる。第33回の選考委員は、伊集院静、逢坂剛、大沢在昌、桐野夏生、篠田節子、林真理子の6氏が審査を務めた。

Book Bang編集部
2020年10月3日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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