「パラサイト・シングル」や「婚活」などの言葉を浸透させた家族社会学の第一人者が、新型コロナウイルス禍に広がる日本の格差を見つめた一冊。
経済的な側面だけでなく、「教育」「家族」「仕事」「地域」「消費」の視点からも分析。格差の拡大は平成時代から進行していたが、コロナで目に見える形となったことを、テレワーク実施率など豊富なデータを引用しながら解説。幼少期からの教育格差が所得格差に続いていることで、貧困ループから抜け出すことが難しくなったと指摘。日本社会を覆う「自己責任論」に疑問を呈している。(山田昌弘著、朝日新書・825円)
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2021年5月2日 掲載
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