「安倍氏を担ぎ上げてきたわれわれの社会の病をあぶり出す」新書ベストセラーに『安倍晋三の正体』が初登場

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 7月11日トーハンの週間ベストセラーが発表され、新書第1位は『堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法』が獲得した。
 第2位は『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』。第3位は『裁判官の爆笑お言葉集』となった。

 4位以下で注目は9位に初登場の『安倍晋三の正体』。『日本をダメにした B 層の研究』(講談社)などで知られる作家の適菜収さんが一周忌を迎えた安倍晋三氏の実像に迫った一冊。適菜さんは同書の「はじめに」で安倍氏の死後、数多く出版された“礼賛本”は安倍氏の《一面しか捉えていない。それどころか偽書に近いものもある》とし、同書では検証可能な事実をもとに安倍氏の人間としての本質を明らかにし、ひいては《安倍を担ぎ上げてきたわれわれの社会の病をあぶり出すこと》が目的と綴っている。適菜さんは刊行にあたり自身のTwitterで《私は長らく安倍という悪党を観察して文章にしてきましたが、そこでわかったことを、この新書に凝縮して詰め込みました。集大成というか、安倍について言及する最後の本になると思います。》と宣言している。

1位『堤未果のショック・ドクトリン 政府のやりたい放題から身を守る方法』堤未果[著](幻冬舎)

「ショック・ドクトリン」とはテロや大災害など、恐怖で国民が思考停止している最中に為政者や巨大資本が、どさくさ紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことである。日本でも大地震やコロナ禍という惨事の裏で、知らない間に個人情報や資産が奪われようとしている。パンデミックで空前の利益を得る製薬企業の手口、マイナンバーカード普及の先にある政府の思惑など……。強欲資本主義の巧妙な正体を見抜き、私たちの生命・財産を守る方法とは? 滅びゆく日本の実態を看破する覚悟の一冊。(幻冬舎ウェブサイトより)

2位『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』今井むつみ[著]秋田喜美[著](中央公論新社)

日常生活の必需品であり、知性や芸術の源である言語。なぜヒトはことばを持つのか? 子どもはいかにしてことばを覚えるのか? 巨大システムの言語の起源とは?ヒトとAIや動物の違いは? 言語の本質を問うことは、人間とは何かを考えることである。鍵は、オノマトペと、アブダクション(仮説形成)推論という人間特有の学ぶ力だ。認知科学者と言語学者が力を合わせ、言語の誕生と進化の謎を紐解き、ヒトの根源に迫る。(中央公論新社ウェブサイトより)

3位『裁判官の爆笑お言葉集』長嶺超輝[著](幻冬舎)

「死刑はやむを得ないが、私としては、君には出来るだけ長く生きてもらいたい」(死刑判決言い渡しの後で)。裁判官は無味乾燥な判決文を読み上げるだけ、と思っていたら大間違い。ダジャレあり、ツッコミあり、説教あり。スピーディーに一件でも多く判決を出すことが評価される世界で、六法全書を脇におき、出世も顧みず語り始める裁判官がいる。本書は法廷での個性あふれる肉声を集めた本邦初の語録集。これを読めば裁判員になるのも待ち遠しい。(幻冬舎ウェブサイトより)

4位『なぜヒトだけが老いるのか』小林武彦[著](講談社)

5位『知らないと恥をかく世界の大問題14 大衝突の時代-加速する分断』池上彰[著](KADOKAWA)

6位『ウクライナ戦争の嘘 米露中北の打算・野望・本音』手嶋龍一[著]佐藤優[著](中央公論新社)

7位『問題はロシアより、むしろアメリカだ 第三次世界大戦に突入した世界』エマニュエル・トッド[著]池上彰[著]大野舞[通訳](朝日新聞出版)

8位『脳の闇』中野信子[著](新潮社)

9位『安倍晋三の正体』適菜収[著](祥伝社)

10位『日本史を暴く 戦国の怪物から幕末の闇まで』磯田道史[著](中央公論新社)

〈新書ランキング 7月11日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年7月15日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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