中村倫也「誰もが共有してる原風景」主演ドラマの魅力を語る 池井戸潤が『ハヤブサ消防団』の面々と語り合う[文芸書ベストセラー]

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 8月29日トーハンの週間ベストセラーが発表され、文芸書第1位は『ハンチバック』が獲得した。
 第2位は『お気楽領主の楽しい領地防衛 5 ~生産系魔術で名もなき村を最強の城塞都市に~』。第3位は『すべての恋が終わるとしても -140字の恋の話-』となった。

 4位以下で注目は4位にランクインした4位『ハヤブサ消防団』。池井戸潤さんが2022年9月に発表したミステリ小説。東京からのどかな田園地帯「ハヤブサ地区」に移住してきたミステリ作家が主人公。地域の仲間に誘われ消防団に入団し、ハヤブサ地区で起こっていた連続放火事件に遭遇する。田舎暮らしを満喫するはずの主人公は事件の隠された真実を追うことに。

 同作は7月13日より実写ドラマ版の放送がスタート。主人公のミステリ作家は俳優の中村倫也さんが演じ、共演は川口春奈さん、満島真之介さん、生瀬勝久さん、山本耕史さんら。発売元の集英社では放送を記念し、ドラマで消防団員を演じる面々と池井戸さんの座談会を企画。ドラマの撮影現場で消防団員が集まる居酒屋「さんかく」を池井戸さんが訪ね、中村さんらとドラマについて盛り上がった。

 中村さんは同ドラマについて《この作品、「田園ミステリー」と銘打ってますけど、夏の野山の風景とか、匂いとか湿度とか、誰もが共有している原風景……とまでは言えないかもですけど、それに近いものがある気がするんです。だから、安心してちょっとホッコリできて、で、おかしいけど絶妙にチャーミングで憎めない人々と戦慄のミステリーへ……多くの人が知らず知らずのうちにのめり込める間口の広さと、出口の確かな細さ、そういう深い魅力を目指してやっていきたいと思ってます。》と見どころを語る。一方、池井戸さんは《田舎の風俗を書いておきたいという気持ちで書き始めた原作ですが、消防団もまさにその風俗のひとつ。そして、これから先、消防団が主役のドラマはたぶん作られない気もするので(笑)、「消防団といえばハヤブサ」と呼ばれるような、貴重な作品になっていくのではないかと……。》と喜びを語った。

1位『ハンチバック』市川沙央[著](文藝春秋)

第169回芥川賞受賞。選考会沸騰の大問題作!「本を読むたび背骨は曲がり肺を潰し喉に孔を穿ち歩いては頭をぶつけ、私の身体は生きるために壊れてきた。」井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、あらゆる言葉を送りだす――。(文藝春秋ウェブサイトより)

2位『お気楽領主の楽しい領地防衛 5 ~生産系魔術で名もなき村を最強の城塞都市に~』赤池宗[著](オーバーラップ)

ハズレ適性の生産魔術で、ボロボロの砦を最強のお城に大改築!(オーバーラップウェブサイトより)

3位『すべての恋が終わるとしても -140字の恋の話-』冬野夜空[著](スターツ出版)

140字で綴られる、恋の始まりと終わり――。(以下、本文『後悔しないように』引用)「もっと早く告白しておけばよかった」幼なじみの彼は言った。慎重なところが魅力な彼だけれど、今回はその人柄が裏目に出てしまったらしい。「元気出して」「まあ大丈夫。お前は俺みたいに後悔するなよ」こんな時ですら私の心配だ。でも、私はそんな彼のことが――。「じゃあ、後悔しないように言うね」(スターツ出版ウェブサイトより)

4位『ハヤブサ消防団』池井戸潤[著](集英社)

5位『木挽町のあだ討ち』永井紗耶子[著](新潮社)

6位『すべての恋が終わるとしても -140字のさよならの話-』冬野夜空[著](スターツ出版)

7位『宮廷魔導師、追放される 1 ~無能だと追い出された最巧の魔導師は、部下を引き連れて冒険者クランを始めるようです~』しんこせい[著](オーバーラップ)

8位『ディズニー ツイステッドワンダーランド THE NOVEL EPISODE 2 荒野の反逆者』枢やな[原案カバー・口絵・本文イラスト]日置じゅん[著]ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社[監修](スクウェア・エニックス)

9位『青瓜不動 三島屋変調百物語九之続』宮部みゆき[著](KADOKAWA)

10位『辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい』ベルピー[著](アルファポリス)

〈文芸書ランキング 8月29日トーハン調べ〉

Book Bang編集部
2023年9月2日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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