「20世紀を作った」とされるココ・シャネル。旧来の価値観を打ち壊し、女性の自立的生き方にまで影響を与えた女性の謎に包まれた人生に、フランスを知悉(ちしつ)したジャーナリストが迫った話題作の文庫化だ。
ゆかりの場所に足を運び、関係者から貴重な証言を引き出し、彼女の「真実」を追求していく。孤児院で暮らしたこともある生い立ち、有力者の愛人たち、戦争との関わり…。
香り、容器、ネーミングともに画期的とされた「5番」にまつわる係争の話は興味深い。シャネルのすごみが分かる一冊だ。(講談社+α文庫・820円+税)
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2016年6月12日 掲載
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