【児童書】『からだ事件簿』坂井建雄・監修、徳永明子・イラスト、澤田憲・文

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【児童書】『からだ事件簿』坂井建雄・監修、徳永明子・イラスト、澤田憲・文

[レビュアー] 藤井克郎

 ■探偵と助手が人体の謎探る

 脂肪オカンに白血球忍者隊、視床下部師匠…。からだ探偵と助手くんが、そんなさまざまなキャラクターを訪ねて人体の謎を探っていくという作りで、楽しみながら体の機能について知ることができる。

 例えば、お父さんがお酒を飲むと変になってしまうという事件では、すご腕の女性ガンマン、肝臓ハンターが登場。自慢の銃でアルコールを分解するが、数が多すぎると食い止められない。そんなエピソードを、内臓、筋肉・骨、脳、免疫と4つの章で展開する。

 編集を担当したダイヤモンド社の金井弓子さんによると、7月に1万部で刊行し、すでに2万部を重版。小学校4~5年生をターゲットにしているが、大人からも「体の仕組みがよくわかる」と多くの反響が寄せられているという。

 解剖学を専門とする順天堂大学教授の監修者に綿密な取材を重ねて、キャラクターを生み出した。「体の中をリアルに描くとグロくなるが、ポップなイラストで誰でも抵抗なく読めるのでは」と金井さんは人気の一端を明かす。(ダイヤモンド社・1100円+税)

 藤井克郎

産経新聞
2017年11月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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