『色彩別 爬虫類・両生類図鑑』川添宣広著(カンゼン)

レビュー

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク

色彩別 爬虫類・両生類図鑑

『色彩別 爬虫類・両生類図鑑』

著者
川添宣広 [著]
出版社
カンゼン
ジャンル
自然科学/生物学
ISBN
9784862556943
発売日
2023/08/07
価格
2,970円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

『色彩別 爬虫類・両生類図鑑』川添宣広著(カンゼン)

[レビュアー] 読売新聞

 個人的に爬虫(はちゅう)類、とりわけ蛇は、見ると身震いするほど苦手だ。だが、両生類も合わせた約750匹が、青、紫、赤を始めとする体色別などに分けて並べられるとあら不思議。嫌悪感より先に、自然の色の美しさに目を奪われる。

 写真は、「世界一多く爬虫・両生類の写真を持つ」と豪語するフリー編集者の著者がこの20年、山中や博物館などで撮りためた中から選抜した。「未解明だけど、野生の色は全部意味がある」と語り、今ではカメレオンの雌が「交尾OK」や「妊娠中」を示す色もわかるという。

 本書には、色違いで多数登場する種も。例えば、英名レオパードゲッコーから「レオパ」の愛称でファンに親しまれているヤモリ「ヒョウモントカゲモドキ」。掲載写真のように、尾は黒点入りの白でそれ以外は鮮やかなオレンジ色の品種を含め、赤や黄、白など計29匹が現れる。

 年間約5万キロを車で走り、山に分け入る日々だという。この人の本に海外から注文が相次ぐことに納得する。(辻)

読売新聞
2023年9月15日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

読売新聞

  • シェア
  • ポスト
  • ブックマーク