【聞きたい。】菊地高弘さん 『巨人ファンはどこへ行ったのか?』

インタビュー

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【聞きたい。】菊地高弘さん 『巨人ファンはどこへ行ったのか?』

[文] 栫井千春


菊地高弘さん

■“元カノ”の輝きを再び

 タイトルはなかなか刺激的だ。「巨人ファンから、『東京ドームは満員ですけど?』『どこへ行ったかといわれても、巨人ファンはたくさんいますけど?』といった反応がありました。だけど、一昔前なら日本国民の20%が巨人戦をテレビで見ていたんですから」

 テレビで全試合中継されていたプロ野球の巨人戦が、地上波ではあまり見られなくなって久しい。巨人人気がかつてほどではなくなったといわれる中、元巨人ファン100人以上から、ファンをやめたわけ、いま好きな球団は?など生の声を聞き、さらに“現役”巨人ファン、元選手やチーム関係者らに取材、まとめた。

 子供の頃は巨人ファン。しかし、高校に進学して野球に打ち込み、強豪校の壁にはね返されるうちに、巨人への熱がさめていく。

 菊地さんにとって、有望選手が集まる強豪校は当時、他球団の主力選手を集めてチームを強化していた巨人のような存在だった。強豪校に挑戦する自分がそんな巨人を応援するのは矛盾していないか。そんな気持ちから、巨人愛が薄れていったという。

 「巨人ファンだったことは、人に言いたくない過去なんです。ライター仲間には、負けても負けてもひいき球団を応援し続けている人がいる。それに比べ自分は強い球団のファンで、いい思いもしてきたのに、あっさりファンをやめてしまいましたから」

 そんな引け目を知り合いの編集者に話したところ、「元巨人ファンをテーマに一冊書けるのでは」と勧められた。知ってほしいのは、元巨人ファンがイコール「アンチ巨人」ではないこと。

 「自分にとって巨人は、元カノ(別れた元彼女)という感覚。それが落ちぶれていくさまは見たくない。めめしい感情かもしれないけれど、巨人にもう一度、かつての輝きを取り戻してほしいという気持ちは強いですよ」(イースト・プレス・1500円+税)

 栫井千春

   ◇

【プロフィル】菊地高弘

 きくち・たかひろ 昭和57年、東京生まれ。雑誌「野球太郎」編集者をへてフリーの編集者兼ライター。著書に『野球部あるある』(菊地選手名義)など。

産経新聞
2018年7月29日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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