『偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理』
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『偽りの春 神倉駅前交番 狩野雷太の推理』降田天著
[レビュアー] 産経新聞社
著者は早大の同級生でプロット担当の萩野瑛(えい)、執筆担当の鮎川颯(そう)の女性2人による作家ユニット。「鎖された赤」では介護施設に入った祖父の自宅を管理する大学生の尊(たける)が敷地内の土蔵で少女を監禁するが…。元刑事で交番勤務の狩野が尊の悪事を暴き、さらに祖父の驚きの過去のベールもはがす。
高齢者詐欺グループリーダーの光代が脅迫される顛末(てんまつ)を描く表題作など2編を経て、「見知らぬ親友」と「サロメの遺言」では“落としの狩野”が刑事を辞めた過去が明かされる。第71回日本推理作家協会賞(短編部門)受賞の表題作を含む短編5編の連作集。(KADOKAWA・1500円+税)