副題の「二つの老い」とは、分譲マンションに迫る建物の老朽化と、住民の高齢化のこと。新築、入居時から始まる宿命だが、「終(つい)の棲家(すみか)」を「スラム」にせず、「楽園」とするためにはどうすればいいか-。
建物の大規模修繕につけ込む業者の談合・リベート問題や、欠陥マンション、タワーマンションをめぐる「不都合な真実」などの実態をノンフィクション作家の著者が豊富な事例とともに紹介する。住民、管理組合、地域も含めた「共同体」のあり方、住宅政策の転換、「長く住み続ける工夫」など考えさせられる。(山岡淳一郎著、岩波新書・780円+税)
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2019年9月29日 掲載
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