【児童書】『おでんのおうさま』山本祐司作

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おでんのおうさま

『おでんのおうさま』

著者
山本 祐司 [著]
出版社
ほるぷ出版
ジャンル
自然科学/生物学
ISBN
9784593100934
発売日
2019/09/11
価格
1,485円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【児童書】『おでんのおうさま』山本祐司作

[レビュアー] 中島高幸

 ■がんもやだいこん大騒ぎ

 冷え込むこの時季はおでんが恋しくなる。にぎやかな表紙をながめていると、ほかほか湯気が漂ってきそうで、おなかが鳴る。

 「みなさん、来てくださーい」。鍋の底のだしこぶが声をあげた。すると、がんもやだいこん、こんにゃくといったおでん種たちが次々と登場し、「おれがおでんのおうさまだ!」と主張し始めた。

 しらたき、卵なども参戦し、20種以上のおでん種たちで大騒ぎに。おうさまはだれなのか-。そこへだしこぶが放つ一言がすばらしい。

 温かみのある作風の山本祐司さんは絵本のほか、書籍の表紙や挿絵など幅広く活動。個性的なおでん種たちの主張がユーモアたっぷりに描かれている。車麩(くるまぶ)、黒はんぺんといった地域性豊かな具材も登場し、新たな発見があるかも。

 エッセイストの阿川佐和子さんが帯の推薦コメントを寄せている。本を閉じたとき、だれもがこの一文に首を縦に振るはず。「どうしても、おでんを食べたくなりましたぞ」(ほるぷ出版・1350円+税)

 中島高幸

産経新聞
2020年1月12日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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