【気になる!】文庫『色の名前の日本史』

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色の名前の日本史

『色の名前の日本史』

著者
中江克己 [著]
出版社
青春出版社
ジャンル
歴史・地理/日本歴史
ISBN
9784413097796
発売日
2021/06/10
価格
1,078円(税込)

書籍情報:JPO出版情報登録センター
※書籍情報の無断転載を禁じます

【気になる!】文庫『色の名前の日本史』

[レビュアー] 産経新聞社

美少年の平敦盛が着ていた鎧(よろい)の色「萌葱(もえぎ)匂い」は「萌黄(もえぎ)匂い」とも書く。中学で「平家物語」を教わったときは黄色と思い込んでいた。本書によると、萌葱色は葱(ねぎ)の萌(も)え出る色から生じた緑系の色名。萌葱匂いはそのグラデーションで、若武者ぶりを表している。

本書は、日本の伝統色138色の名前を色見本や歴史的逸話とともに紹介している。江戸時代に流行した茶色は煤竹(すすたけ)、路考茶(ろこうちゃ)、海松(みる)茶…と、さまざまな茶系色を取り上げた。浮世絵に使われた青や王朝文学の装束の色なども。平成15年に刊行された新書の文庫化。古典を読む際のお供に。(中江克己著、青春文庫・1078円)

産経新聞
2021年8月1日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

産経新聞社

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