『鎌倉公方と関東管領』
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『対決の東国史4 鎌倉公方と関東管領』植田真平著
[レビュアー] 産経新聞社
室町幕府を開いた足利尊氏の子の基氏(もとうじ)から始まる「鎌倉公方」は、東国を支配するため置かれた鎌倉府のトップ。これを補佐する「関東管領」には上杉氏が代々就いた。本書は、君臣の関係であるはずの両者が対決し、関東に戦乱が広がっていく過程を描いた。
大ヒットした『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』(平成28年)で室町時代に注目が集まったが、関東の動向についてはあまり知られていない。実は中央にも大きな影響を与えた鎌倉公方と関東管領の対立はなぜ起きたのか。幕府衰退の一つの原因となった関東の混乱が分かりやすくまとめられている。(吉川弘文館・2200円)