前衛美術家、漫画家、芥川賞作家として活躍した著者(平成26年死去)の「こどもの哲学 大人の絵本」シリーズ文庫化第1弾。
テーマは「自分」。たとえば、自分が映る鏡を見るのが嫌だという著者が、その理由を思索する(「目の問題」)。また、人生の時間軸の中で現れる「強い自分」と「弱い自分」の役割を考察も(「強い自分 弱い自分」)。
「継承できない。一代限り」の自分とは何か。それを平易な言葉、ユーモラスな絵で表現する。ページを行きつ戻りつし、その味わいをかみしめれば、帯にある通り〈誰かに薦めずにはいられない―〉。(ちくま文庫・748円)
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2022年3月12日 掲載
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