ネイチャーフォトグラファーの著者が、エベレスト登山の道程をつづった。
知人の言葉をきっかけにエベレスト登頂を目指した著者は2021年、現地へ向かう。ベースキャンプへの緩やかな街道旅やキャンプ地での意外にゆったりした生活。一方で、登山者をのみ込むクレバス(割れ目)やアイスフォール(氷瀑)の恐怖も。歩かなければ見られないエベレストの姿を多様な角度から描く。
その威容を捉えた写真も魅力的だ。濃紺の空にたたずむ黒いエベレストや、標高6400メートルから見た降るような星空は圧巻。旅に同行している気分になれる。(光文社新書・1540円)
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2022年8月21日 掲載
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