【児童書】『くみたて』田中達也作　日用品　視点を変えれば

ＳＮＳ（交流サイト）を中心に国内外で注目されているミニチュア写真家で、身近にあるものを別のものに見立てて想像を膨らませる「見立て」作家の著者による初めての写真絵本。スタートは身長数センチの小さな作業員たちが、洗濯ばさみや歯ブラシらしきものを組み立てるところから。さて、何ができるのだろう。

歯ブラシはミニカーがたくさん通る道沿いに等間隔に並べられて、街灯に変身する。丸いフレームの眼鏡はたくさんの人が泳ぐプールになって、赤い輪っかと小さなシンバルはきっとタンバリンを組み立てている…と思ったら観覧車で、いろんな楽器でできた遊園地が完成した。

ページをめくるまで何ができるか分からないわくわく感と、完成した意外な「答え」を知ったときの驚きが楽しい。

見慣れた日用品も、少し視点を変えるだけで全く違うものに見えてくる。そのことに気付いた瞬間に子供の自由な発想に火がつき、新しい遊びが始まる。想像力が生むおもちゃは無限大だ。（福音館書店・１５４０円）

田中佐和

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