『ストロベリー戦争 弁理士・大鳳未来』
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『ストロベリー戦争 弁理士・大鳳未来』南原詠著
[レビュアー] 産経新聞社
宮城県のイチゴ農家らが新品種「絆姫(きずなひめ)」を開発、出荷先も決まった。だが出荷直前、大手商社から商標権侵害の警告書が。「絆姫」の名称が使えなければ出荷できず、廃棄を迫られる。そこで、知的財産の専門家である弁理士の大鳳未来が調査に乗り出す。品種開発の苦労。絆姫に込めた願い。農家側の思いを受け止めた未来は意外な策で事態を打開する。
「2022年このミステリーがすごい!大賞」受賞作『特許やぶりの女王』の続編。現実の社会でも果物の種苗の海外流出が問題になっており、農作物のブランド保護という課題が物語に絡んで面白い。(宝島社・1540円)