『ごろんずっしり さつまいも』
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<東北の本棚>親子でえほん
[レビュアー] 河北新報
仙台市出身の絵本作家による「どーんとやさい」シリーズの最新刊は、秋の味覚サツマイモが主役。ひょろりとした赤い根っこがずっしりと育ち、収穫されるまでの1年を、生き生きと伝える。
春、種芋から伸びた茎は、1本ずつ丁寧に畑に植えられる。夏は余計な根を切ることで芋に栄養を行き渡らせる。根っこがどんどん太ると、秋には立派なサツマイモの出来上がり。おなじみの紅あずまや安納芋、中身が濃い紫色のパープルスイートロードなど、見た目や切り口を忠実に描いたサツマイモの一覧もおいしそう。
リズミカルな文章も魅力の一つだ。太陽の光を浴びた葉は「わっさ わっさ」とじゅうたんのように生い茂り、地中の芋は連なって「ずずん ずん」と成長する。愉快な言葉は声に出すと心が弾み、繰り返し読みたくなる。(長)
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童心社=03(5976)4181=1320円。