『世界の広告クリエイティブを読み解く』山本真郷、渡邉寧著(宣伝会議)
[レビュアー] 佐藤義雄(住友生命保険特別顧問)
広告の打ち出し方もお国柄によって大きく違うようだ。本書はオランダの社会心理学者ヘールト・ホフステードの異文化比較モデルを用いて国ごとの広告の特徴とその背景にある文化的価値観を読み解いていく。
20を超える国と地域の60に及ぶ事例が紹介されるがその違いが興味深い。例えば単刀直入な表現を好むか、謙虚さを大事にするか。あるいは勝ちにこだわるか、弱者への思いやりを重視するか。それぞれの国の支配的価値観に合わせて広告のコンセプトが決まることが多いという。
米バドワイザーとデンマークのカールスバーグのキャッチコピーの違いや、バーガーキングが長年のライバルだった近隣のマクドナルドの閉店に際してどんな広告を打ったかなどがとりわけ面白い。バーガーキングの広告の隠しメッセージにニヤリとするかやりすぎと思うか。読んでのお楽しみだがあなたはどっち?