『南北戦争を戦った日本人』
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『南北戦争を戦った日本人』菅(七戸)美弥・北村新三著
[レビュアー] 産経新聞社
米国史上、最大の死者数を記録した激戦である南北戦争(1861~65年)。この戦争に、北軍兵士として参加した日本人が2人いた。幕府が海外渡航を厳しく制限していたこの時期、日本人がどのようなルートで米国に渡り、なぜ従軍するに至ったのか。入隊記録など断片的資料が残るのみで、本名すら分からない2人の日本人の来歴に、米国移民史研究者らが迫る。
日米双方の資料を調べた結果、2人は漂流民や密航者、あるいは幕府使節団からの脱落者という可能性が浮上する。19世紀半ばの米国社会で、アジア系という圧倒的少数派が置かれた厳しい環境も描き出される。(筑摩選書・1870円)