『ツレが「ひと」ではなかった』
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『ツレが「ひと」ではなかった』川森博司著
「鶴の恩返し」や「人魚姫」など、人間と「ひと以外」が結婚する異類婚姻譚は世界中にある。著者は世界の約70話を比較。ハッピーエンドが多い西洋に対し、「異なるもの」との境界を維持しようとする日本独自の傾向を見いだす。
妻が異類であれば人に化けて結ばれるが、多くは「見るな」というルールを人間の夫が破り、別れる。夫が異類だった場合、人間に結婚を無理強いし、最後は妻に殺されるのが主流なのだとか。
残酷にも見える日本の昔話だが、近年の漫画やアニメでは、異類との共生を描いた作品も多い。日本人の意識の変化にも気づかされる。(淡交社・2310円)