第156回芥川賞に山下澄人さん「しんせかい」、直木賞に恩田陸さん『蜜蜂と遠雷』

文学賞・賞

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 第156回芥川龍之介賞、直木三十五賞の選考会が1月19日築地・新喜楽にて行われ、芥川賞に山下澄人さん(51)の「しんせかい」(新潮2016年7月号)が、直木賞に恩田陸さん(53)の『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎)が選ばれた。山下さんは4度目の芥川賞候補で、恩田さんは6度目の直木賞候補での受賞となった。

111111芥川賞受賞の山下澄人さん「しんせかい」(新潮社)、直木賞受賞の恩田陸さん『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎)

 山下澄人さんは1966年1月25日兵庫県神戸市生まれ。神戸市立神戸商業高等学校を卒業。富良野塾二期生。1996年より、劇団FICTIONを主宰。2012年『緑のさる』で第34回野間文芸新人賞を受賞した。

 BookBangでは文芸評論家の伊藤氏貴さんが、富良野塾二期生の著者と主人公の共通点をあげながらも、《事実かどうかよりも、そこに時間がかける靄(もや)をこそ楽しむという点で、私小説とは似て非なる新しい小説だ。》(中日新聞/東京新聞・書評欄)と評している。( https://www.bookbang.jp/review/article/523363

 また劇作家の飴屋法水さんも書評を寄せている。( https://www.bookbang.jp/review/article/519915

 恩田陸さんは1964年10月25日生まれ。宮城県仙台市出身。早稲田大学卒。1992年、第3回日本ファンタジーノベル大賞候補となった『六番目の小夜子』(新潮社)でデビュー。2004年『夜のピクニック』で第2回本屋大賞、第26回吉川英治文学新人賞を受賞。2006年『ユージニア』で第59回日本推理作家協会賞受賞。2007年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞を受賞。

 作家の朝井リョウさんは《才能とは、運命とは、音楽とは何かという問いに真正面から向き合い続けた著者だけが辿(たど)り着くことのできた地平に、そっと招かれているような感覚に陥る。こんな小説を、私もいつか書いてみたい。》(読売新聞・書評欄)と評している。( https://www.bookbang.jp/review/article/521681

 また書評家の杉江松恋さんが《コンクールを舞台としているが、物語の関心は単純な勝ち負けだけにはない。高みを目指して鎬(しのぎ)を削る間に、演奏者たちもまた成長していくのだ。始めに見えていたものと、違う景色が見えるようになっていく。》(週刊新潮・書評欄)と評している。( https://www.bookbang.jp/review/article/519375

 芥川賞・直木賞はどちらも昭和10年に制定。芥川賞は新聞・雑誌に発表された純文学短編作品が対象。主に新人作家に与えられる。直木賞は新聞・雑誌、単行本で発表された短篇および長編の大衆文学作品を対象に優秀作を選定。主に新進・中堅作家が対象。

候補作品は以下のとおり。

■第156回芥川龍之介賞 候補作(掲載誌)
加藤秀行「キャピタル」(文學界12月号)
岸政彦「ビニール傘」(新潮9月号)
古川真人「縫わんばならん」(新潮11月号)
宮内悠介「カブールの園」(文學界10月号)
山下澄人「しんせかい」(新潮7月号)

■第156回直木三十五賞 候補作(出版社)
冲方丁『十二人の死にたい子どもたち』(文藝春秋)
恩田陸『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎)
垣根涼介『室町無頼』(新潮社)
須賀しのぶ『また、桜の国で』(祥伝社)
森見登美彦『夜行』(小学館)

Book Bang編集部
2017年1月19日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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