稲垣吾郎 半年間の休養中に父からかけられた言葉を告白[ゴロウ・デラックス]

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TBS「ゴロウ・デラックス」公式サイトより

 稲垣吾郎さん(44)が司会を務める読書バラエティー「ゴロウ・デラックス」(TBS系)に22日、コラムニストでラジオパーソナリティーのジェーン・スーさんが出演した。スーさんの父親の話から話題が広がり、稲垣さんが自身の父親への思いを吐露した。

■今作は家族がテーマ

 この日の課題図書はスーさんの最新作『生きるとか死ぬとか父親とか』(新潮社)。「ゴロウ・デラックス」への出演はこの日で5回目だ。スーさんはこれまで『女の甲冑、着たり脱いだり毎日が戦なり。』(文藝春秋)『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社)などの著書で女性の生態を赤裸々に綴ってきたが、今作のテーマは家族のこと。スーさんの母は早くに亡くなっており、彼女の“母親”ではない面の話を聞けなかったことをずっと後悔していたという。そして最近父親が80歳近くになり、今度は「今、父の人生を聞いておかなければ一生後悔する」と考え、絶縁寸前だった父親ともう一度向き合い、1年半かけてじっくりと話を聞き、この本にまとめた。

■「とんでもない」父親の本当の姿

 父親はどんな人だったのかと稲垣さんから問われると、スーさんは「血の繋がった娘の私でさえ、この男を無条件で甘やかしたくなることがある」「女にこの男に何かしてあげたいと思わせる能力が異常に発達しているのが私の父親だ」と評する。ハンサムで若い頃は派手な女性関係を重ねてきており、母親も困らされていたと明かす。そんな父親に対して「ほとんど憎しみみたいな感情しか持ってなかった時期もあった」というスーさん。しかし話を聞いてみると知らないことばかりで、「“親”ということでジャッジしていた」が「多面的に親を見られるようになった。“親”以外の面もあって当然」と思い直したという。

 またスーさんの父親は莫大な借金もあり、娘からしたら「とんでもない人」と感じていたが、若い頃の仕事の話を聞くことで父親の働き方に関しても印象が変わった。仕事の現場が「いつも以上にうまく回るための一つの歯車として機能するような」上品な働き方を教わり、「この人と一緒に仕事してみたかったかも」「私も影響されてるかも」とまで感じたと吐露した。

■稲垣吾郎、父親との関係を明かす

 スーさんの告白に促され稲垣さんも自身の両親について「意外と知ってるようで知らないこと多いかもしれない」と明かす。同書を読んで自分も父親との関係を振り返り「すごく色々感慨深かった。そろそろですね、ちゃんと向き合っておかないと」と自身に言い聞かせるように頷く。そして「クールすぎて。むこうもシャイだから」「マイペースでクールで無口、だからこそこっちも歩み寄りにくい、未だに」と自分と似たタイプの父親となかなか向き合えていないことを告白した。

 さらに稲垣さんは20代の頃に休養していたときのことを語りだした。「仕事を半年ぐらい休んでいて実家に帰っていた時期があった。その時半年親と一緒にいて」「もう仕事復帰をしてもいいとなったとき、父親が『吾郎も明日からいなくなるのか。淋しくなるな』とぼそっと言ったんですよ。そんなこと聞いたことなかった!」。一緒にいた期間でも全然喋ってもいなかったのに、そんな温かい言葉をかけられ「むこうから歩み寄ってくることは今も昔もないのに」「あのぼそっと言った言葉が忘れられない」と記憶に刻み込まれた父親の言葉を振り返った。そんな告白の後、稲垣さんは高まる感情を抑えるかのように「こっちからちゃんと歩み寄る……、『お父さん』と(自分から)行かないといけないですね」とはにかんでいた。スーさんも告白を聞き、「ちょっとじんわりきちゃうよ」と目頭を抑えた。

 BookBangでは『生きるとか死ぬとか父親とか』の第1回「この男、肉親につき。」を公開中。スーさんとしまおまほさんによる刊行記念対談も掲載されている。
https://www.bookbang.jp/janesu/article/5
https://www.bookbang.jp/review/article/553394

「ゴロウ・デラックス」はTBSにて毎週木曜日深夜に放送中。次回の放送は6月28日。ゲストは辻村深月さん。課題図書は『かがみの孤城』(ポプラ社)。公式サイトでは予告動画を配信中。
http://www.tbs.co.jp/goro-dx/

Book Bang編集部
2018年6月23日 掲載
※この記事の内容は掲載当時のものです

新潮社

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