「2019本格ミステリ・ベスト10」 今年の1位は大山誠一郎『アリバイ崩し承ります』 海外編は『カササギ殺人事件』
文学賞・賞
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- 2019本格ミステリ・ベスト10
- 価格:1,100円(税込)
原書房発行の「2019 本格ミステリ・ベスト10」が発売され、推理小説を対象とするランキング・ベスト10が発表された。
国内編で1位となったのは、大山誠一郎さんの『アリバイ崩し承ります』(実業之日本社)。本作は、「時計修理承ります」だけでなく「アリバイ崩し承ります」という貼り紙がある時計店の店主・美谷時乃を主人公としたミステリ小説。捜査一課の新米刑事から難事件の解決を依頼された美谷が、ストーカーと化した元夫のアリバイ、郵便ポストに投函された拳銃のアリバイ、山荘の時計台で起きた殺人のアリバイなど、7つの事件や謎に挑む。
著者の大山は、1971年埼玉県生まれ。京都大学推理小説研究会出身。2004年に『アルファベット・パズラーズ』で作家デビュー。2013年に『密室蒐集家』で第13回本格ミステリ大賞を受賞。その他著書に『仮面幻双曲』『赤い博物館』などがある。
また、海外編では、アンソニー・ホロヴィッツさんの『カササギ殺人事件(上・下)』(東京創元社)が1位に選ばれている。本作は女性編集者が読む作中作のミステリ小説『カササギ殺人事件』の中で展開される名探偵アティカス・ピュントの推理が描かれるが、女性編集者は“ある事態”をきっかけに現実の世界で自ら謎を解き明かそうと推理を繰り広げることになる。アガサ・クリスティへのオマージュ作品でもある本作では、クラシカルな犯人捜しを味わうことができる上に、練り上げられたストーリー展開と張り巡らされた伏線、そして驚きの仕掛けによって、これまでにない挑戦的な作品となっている。
著者のアンソニー・ホロヴィッツさんは、1955年英国ロンドン生まれの小説家・脚本家。ヤングアダルト作品『女王陛下の少年スパイ!アレックス』シリーズがベストセラーになったほか、人気テレビドラマ『刑事フォイル』『バーナビー警部』の脚本を手掛ける。2014年にはイアン・フレミング財団に依頼されたジェームズ・ボンドシリーズの新作『007 逆襲のトリガー』を執筆している。
そのほか、「2019 本格ミステリ・ベスト10」では、似鳥鶏と白井智之のインタビューを収録。作家・評論家などにアンケートを取った特集〈「我が“偏愛”本格ミステリ」を聞いてみた〉や作家、評論家、書店員などがおすすめする最新マイ・ベストランキングが掲載されている。
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